こんにちは、マユミです。

という方に向けています。
アメリカの種のカタログをみると、下記の表記がよくでてきます。
・Open Pollinated
・Hybrid、F1
・Heirloom
これらは種の分類で、簡単にいうと受粉方法が違います。
日本語でいうところの、固定種、交配種(ハイブリット)、エアルームにあたりますね。
この記事では、この3つの種の分類「Open Pollinated、Hybrid (F1)、Heirloom」について解説していきます。
違いを知っておくと、種をえらぶときに役だちますよ!
Open Pollinated Seeds(固定種)
Open Pollinated Seeds
- 自然に受粉した植物から採取した種
- 親となった植物と、同じ植物が育つ
「Open Pollinated Seeds」は、風やミツバチ、虫、鳥などが媒体となり、自然に受粉した植物から採取した種のことです。
人の手で受粉を助けた場合も、上記にふくまれます。
自然に行うため、ひとつの花のおしべとめしべが受粉することもあれば、ふたつの花のおしべとめしべが受粉することもあります。
そのため、たとえば品種の違う2種類のトマトの種を取るときは、遠くはなれた畑でそれぞれの種類を育てないとなりません。
そうすると、風や虫などを介し知らないうち2つの種類が受粉することがなく、完全な同じ種類の種が採取できます。
このようにして採取された種から育った野菜は、親となった野菜と全く同じ要素を引継いでいます。

もし、自分で育てた野菜や花から種を採取するつもりなら、「Open Pollinated」の種がおすすめです。
Hybrid Seeds・F1 Seeds(交配種)
Hybrid Seedsとは
Hybrid Seeds
- 2つの品種を受粉させて採取した種
- 両方の品種の特徴をいいとこ取り
- バラ付きが少ない
「Hybrid Seeds」は、同じ野菜の異なる種類を「意図的に」受粉させて採取した種です。
つまり、2つの品種の「掛け合わせ」です。

Hybrid Seedsをつくる目的
「Hybrid Seeds」を作る目的は、それぞれの品種のいいとこ取りをするためです。
たとえば、甘みのおおい品種Aトマトと、病気に強い品種Bトマトを合わせて、「病気に強く甘い実のつくトマト」という新しい品種をつくることができます。
意図した品種をつくるには、自然受粉するのを防がなくてはなりません。
そのため、めしべを使う側の植物からはおしべを取りのぞき、反対に、おしべを使う側の植物からはめしべを取りのぞく、という作業が行われます。

Hybrid Seedsの特徴
「Hybrid Seeds」の特徴は、発芽のタイミングや、実の大きさなどにバラ付きが少ないことです。
この点は商業農家の方にとって、大きなメリットとなります。
また、プランター栽培用の品種をお探しの方にも、「Hybrid Seeds」はおすすめです。
品種の名前に「Patio」など、それっぽいキーワードが入ってるものはプランター栽培用に作られた品種です。
「F1」表記について
「Hybrid」の表記のかわりに、「F1」という表記になってる場合もあります。
「F1」とは、「Filial 1」のことで、第1世代の子供(種)という意味です。
このF1の種を育てて、そこからまた種を採取するとF2、F3...と続いていくわけですが、F1以降の世代では本来の親の持ち味が上手く反映されない事もあり、安定しません。
そのため、販売されているHybridの品種は基本的に「F1」のみです。
遺伝子組み換え(GMO)とは違う
「品種と品種の掛け合わせ」と聞くと、

と思う方もいるかもしれません。
Hybridは、遺伝子組み換え(GMO)とは違います。
Hybridは、農家が畑で行う作業です。対して遺伝子組み換えは、科学者が研究室で行う作業です。
どちらも改良してるので、混同してしまいそうですが全くの別物です。Hybridの種は危険なものではありません。
関連記事もチェック!「NON-GMO」と記載の無い種は安全なのか?
Heirloom(エアルーム)
Heirloom Seeds
- Open Pollinated(固定種)の一種
- 何世代にも渡って受け継がれてきたもの
- 「Heirloom」に認定される基準は、種の販売会社による
「Heirloom Seeds」は、Open Pollinated(固定種)の一種です。
Open Pollinatedの中で、何世代にも渡って受け継がれてきた(栽培され続けてきた)ものが「Heirloom」とよばれます。

孫から子へ代々受け継がれてきた種や、引退する農家が別の農家へ引き継いだ種など、その種の裏側に心温まる特別なストーリーがあることも多いです。
どのタイミングで「Heirloom」と認定されるかは、種の販売会社ごとに基準がことなります。

また前述の「Hybrid」の説明の中で、Hybridは基本的にF1のみとお伝えしましたが、F1種を自然受粉させF2、F3と少しずつ安定して行けば、「Hybrid → Open Pollinated → 最終的にHeirloom」というケースもあります。
めずらしい品種を育ててみたいなら、「Heirloom」の種をさがしてみるとよいですよ!
アメリカでの種の分類【まとめ】
さいごに、簡単にまとめておきます。
種の分類まとめ
- Open Pollinated(固定種):自然に受粉した植物から採取した種
- Hybrid・F1(交配種):2つの品種を「意図的に」受粉させて採取した種
- Heirloom(エアルーム):固定種の1種。何世代にも渡って受け継がれてきたもの
アメリカでは、手に入る種の種類がほんとうに多いです。
種屋さんのWebサイトやカタログを見てるだけでも楽しいですが、種に関する用語の意味がわかると、種選びがますます楽しいですよ!
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