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アメリカでの種の分類。固定種、ハイブリット、エアルームの違いなど

2020年8月15日

こんにちは、マユミです。

アメリカでの種の分類はどうなってるの?

という方に向けています。

アメリカの種のカタログをみると、下記の表記がよくでてきます。

・Open Pollinated
・Hybrid、F1
・Heirloom

これらは種の分類で、簡単にいうと受粉方法が違います

日本語でいうところの、固定種、交配種(ハイブリット)、エアルームにあたりますね。

この記事では、この3つの種の分類「Open Pollinated、Hybrid (F1)、Heirloom」について解説していきます。

違いを知っておくと、種をえらぶときに役だちますよ!

Open Pollinated Seeds(固定種)

Open Pollinated Seeds

  • 自然に受粉した植物から採取した種
  • 親となった植物と、同じ植物が育つ

「Open Pollinated Seeds」は、風やミツバチ、虫、鳥などが媒体となり、自然に受粉した植物から採取した種のことです。

人の手で受粉を助けた場合も、上記にふくまれます。

自然に行うため、ひとつの花のおしべとめしべが受粉することもあれば、ふたつの花のおしべとめしべが受粉することもあります。

そのため、たとえば品種の違う2種類のトマトの種を取るときは、遠くはなれた畑でそれぞれの種類を育てないとなりません。

そうすると、風や虫などを介し知らないうち2つの種類が受粉することがなく、完全な同じ種類の種が採取できます。

このようにして採取された種から育った野菜は、親となった野菜と全く同じ要素を引継いでいます

たとえるなら、両親もご先祖さまも全員日本人の子供は「純ジャパニーズ」みたいな感じですね。

もし、自分で育てた野菜や花から種を採取するつもりなら、「Open Pollinated」の種がおすすめです。

Hybrid Seeds・F1 Seeds(交配種)

Hybrid Seedsとは

Hybrid Seeds

  • 2つの品種を受粉させて採取した種
  • 両方の品種の特徴をいいとこ取り
  • バラ付きが少ない

「Hybrid Seeds」は、同じ野菜の異なる種類を「意図的に」受粉させて採取した種です。

つまり、2つの品種の「掛け合わせ」です。

韓国人の父と日本人の母をもつ子供は、「日韓ハーフ」みたいな感じですね。

Hybrid Seedsをつくる目的

「Hybrid Seeds」を作る目的は、それぞれの品種のいいとこ取りをするためです。

たとえば、甘みのおおい品種Aトマトと、病気に強い品種Bトマトを合わせて、「病気に強く甘い実のつくトマト」という新しい品種をつくることができます。

意図した品種をつくるには、自然受粉するのを防がなくてはなりません。

そのため、めしべを使う側の植物からはおしべを取りのぞき、反対に、おしべを使う側の植物からはめしべを取りのぞく、という作業が行われます。

Open Pollinatedの種より価格が高いのは、種を採取する労力が大きい為ではないかと思います。

Hybrid Seedsの特徴

「Hybrid Seeds」の特徴は、発芽のタイミングや、実の大きさなどにバラ付きが少ないことです。

この点は商業農家の方にとって、大きなメリットとなります。

また、プランター栽培用の品種をお探しの方にも、「Hybrid Seeds」はおすすめです。

品種の名前に「Patio」など、それっぽいキーワードが入ってるものはプランター栽培用に作られた品種です。

「F1」表記について

「Hybrid」の表記のかわりに、「F1」という表記になってる場合もあります。

「F1」とは、「Filial 1」のことで、第1世代の子供(種)という意味です。

このF1の種を育てて、そこからまた種を採取するとF2、F3...と続いていくわけですが、F1以降の世代では本来の親の持ち味が上手く反映されない事もあり、安定しません

そのため、販売されているHybridの品種は基本的に「F1」のみです。

遺伝子組み換え(GMO)とは違う

「品種と品種の掛け合わせ」と聞くと、

それって、遺伝子組み換えじゃないの?

と思う方もいるかもしれません。

Hybridは、遺伝子組み換え(GMO)とは違います。

Hybridは、農家が畑で行う作業です。対して遺伝子組み換えは、科学者が研究室で行う作業です。

どちらも改良してるので、混同してしまいそうですが全くの別物です。Hybridの種は危険なものではありません。

関連記事もチェック!「NON-GMO」と記載の無い種は安全なのか?

Heirloom(エアルーム)

Heirloom Seeds

  • Open Pollinated(固定種)の一種
  • 何世代にも渡って受け継がれてきたもの
  • 「Heirloom」に認定される基準は、種の販売会社による

「Heirloom Seeds」は、Open Pollinated(固定種)の一種です。

Open Pollinatedの中で、何世代にも渡って受け継がれてきた(栽培され続けてきた)ものが「Heirloom」とよばれます。

イメージとしては、「由緒正しいお家柄」みたいな感じです

孫から子へ代々受け継がれてきた種や、引退する農家が別の農家へ引き継いだ種など、その種の裏側に心温まる特別なストーリーがあることも多いです。

どのタイミングで「Heirloom」と認定されるかは、種の販売会社ごとに基準がことなります。

私が見た中だと、50年以上、20年以上、年数に縛りはなくストーリーで判断、などという基準がありました。

また前述の「Hybrid」の説明の中で、Hybridは基本的にF1のみとお伝えしましたが、F1種を自然受粉させF2、F3と少しずつ安定して行けば、「Hybrid → Open Pollinated → 最終的にHeirloom」というケースもあります。

めずらしい品種を育ててみたいなら、「Heirloom」の種をさがしてみるとよいですよ!

アメリカでの種の分類【まとめ】

さいごに、簡単にまとめておきます。

種の分類まとめ

  • Open Pollinated(固定種):自然に受粉した植物から採取した種
  • Hybrid・F1(交配種):2つの品種を「意図的に」受粉させて採取した種
  • Heirloom(エアルーム):固定種の1種。何世代にも渡って受け継がれてきたもの

アメリカでは、手に入る種の種類がほんとうに多いです。

種屋さんのWebサイトやカタログを見てるだけでも楽しいですが、種に関する用語の意味がわかると、種選びがますます楽しいですよ!

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