こんにちは、マユミです。

という方に向けています。
フィクション小説といっても、いろんなジャンルがありますよね。
この記事では、「社会問題や時代をテーマにした社会派小説」のおすすめ洋書を紹介します。
(※随時更新、追加してます)
いろいろ考えさせられ、視野もひろがります。
ぜひいろいろ読んでみてください!
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最初の数チャプターは無料で試し読みできるので、読みやすさなどチェックしてみてください。
目次
社会派テーマの洋書(英語・小説)おすすめ7選
All My Rage
移民、差別、虐待、アルコール依存、麻薬
祖国パキスタンを離れ、夫と共にアメリカに移住したMisbahは、カリフォルニアの郊外で小さなモーテル(ホテル)を経営していました。
しかし、Misbahが病気になると夫は悲しみで酒に溺れ、高校生の息子Salahudinに、生活の全ての責任が降りかかります。
一方、Salahudinの親友Noorは、おじさんが経営する酒屋を手伝いながら、こっそり大学進学を目指しますが、色々な困難にぶち当たります。
SalahudinとNoorは、ケンカし不仲になっていましたが、ピンチを乗り越えるべく再び手を取りあっていくのですが...

人生の不平等さというか、生まれた環境、置かれた状況、全ての理不尽なことに「怒り」をかかえ、それでも希望を持って人生を切り開いていく、メッセージの詰まった作品です。
メインから脇役まで、キャラクターがとてもよく描かれています。
父の弱さや、アルコール依存になった背景描写もていねいです。
虐待、差別、麻薬など、重いテーマがたくさんでてきますが、さいごには希望、強さ、やさしさを感じる1冊です。
中高生から大人まで、広い世代におすすめです。
The Hate U Give
BLM、人種、社会正義
貧しい黒人地域でくらすStarrは、郊外のリッチな地域にある(ほぼ白人だけの)高校に通っています。
それぞれのコミュニティにあわせて言葉使いを変え、うまくバランスをとって生活しています。
ある日地元のパーティーに参加したStarrは、幼なじみのKhalilの車で帰ることに。
しかし2人の乗った車が警察にとめられ、Starrの目の前で、Khalilが白人警官に撃たれてしまうと...

2020年のジョージ・フロイド氏の事件と「Black Lives Matter」運動が、まだ記憶に新しいですよね。
本の中では、BLM運動はもちろん、たったひとりの目撃者となってしまったStarrの葛藤や、黒人コミュニティの内側も描かれています。
それと、警察官から命を守るための行動ルールが、親から子に教えられてる。など、日本にいたら見えない部分がとても印象的で、彼らがどれだけ理不尽な目にあっているのかよく伝わってきます。
映画版も見ましたが、(省略されていない)原作本の方がよかったです。
まだ読んだことのない方はぜひ!
Grown
性的虐待、音楽業界、グルーミング
歌手をめざすEnchantedは、オーディションで超有名なR&BアーティストのKoreyに声をかけられます。
Koreyのおかげで「歌手になる夢」が、いっきに現実味に。
しかしある朝Enchantedは、両手が血まみれの状態で目をさまします。
そしてEnchantedに、Korey殺しの容疑がかけられるのですが...

主人公のEnchantedは、本人的には「自分は大人」と思っていても、まだ17才なんですよね。
似たようなことが、あちこちで起きているんじゃないかと思います。
親子で読んでディスカッションするのにも、おすすめのの1冊です。
Honor
インド、文化宗教、男女格差
インド系アメリカ人のSmitaは、ジャーナリストの同僚の取材を手伝うため、子供時代をすごしたインドに戻ります。
しかしSmitaにとって「インド」は、封印したい過去であり、2度ともどりたくない場所。
実の兄に火をつけられた大怪我をおった女性を取材するうちに、自身の過去とも向き合うことになるSmitaですが...

日本でいう「ジェンダー平等」や「男女格差」がどれだけ平和な地域の議論なのか、と思わされますね。
テーマこそ重いですが、堅苦しさはないので読みやすいです。
ラブストーリーもふくまれていますよ!
A Woman Is No Man
パレスチナ移民、アラブ文化、フェミニズム
親の決めた結婚により、17才のIsraはパレスチナからアメリカに移住します。
「アメリカでは女性の扱いは違うはず..」という夢も儚く、Israを待ち受けていたのは、アラブ文化にどっぷり浸かった生活。
「息子を産むこと」が何よりも重要とされるなか、Israが授かったのは4人の娘。

1990年代という設定とはいえ、ちょっと祖母の発言や思考のすべてが恐ろしいです..。
「そういう文化です」と言われても、(日本で生まれ育った身からすると)どういう文化だよ...って感じです。ほんとうに。
勇気をもって声をあげることの大切さなど、メッセージがこめられた1冊です。
Homegoing
アフリカ、奴隷貿易、人種、歴史
父親がちがい1度も会ったことのない姉妹、EffiaとEsiは、18世紀のガーナ(西アフリカ)に生まれす。
奴隷貿易を仕切るイギリス人と結婚し、ガーナで子孫をのこすEffia。
その一方でEsiは、奴隷船にのせられ、奴隷としてアメリカで生きることになります。

「奴隷貿易」ときいてピンとこない人には、ぜひ読んでほしい1冊です。
当時のガーナの様子や、奴隷貿易があたえた影響が、わずか300ページくらいの小説の中によくまとまっています。
ブラック&ホワイトの人種問題の重みというか、奥深さを痛感しますね。
最初の方はけっこう読みにくいですが、それでも読む価値あります。
話が現代に近づいてくるにつれて、読みやすくなるので、最初の方はがんばってみてください!
Don't Cry for Me
LGBTQ、家族、父
まだ奴隷制度がある時代に生まれ、どう生きるかなんて選べない、というか自由に生きるという発想さえもてない時代に育った父。
男とはこうあるべき、女とはこうあるべき、と教えられてきた父にとって、「息子がゲイ」であることは、たやすく受け入れられない事実。
そんな父が、死を前にして最後にやりたかったことは、疎遠になってしまった息子へ手紙を書くこと。

父は父なりに、息子を愛していて、でもそれは息子のほしかった愛とはちがった。
「自分が変わるより、時代が変わる方がはるかに速かった」
というような父の言葉が、とても印象的でしたね。
いろいろ考えさせられる1冊です。
社会派テーマの洋書(英語・小説):まとめ
さいごに、今回紹介した本をまとめておきます。
社会派テーマの洋書
※本のタイトルを押すと、記事内の本の紹介部分にジャンプします。
 その他のフィクション洋書はこちら。↓
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ぜひいろいろ読んでみてください!
以上です。
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